2009年7月20日

6月から8月にかけて流行する感染症

りんご病(伝染性紅斑)
● パルボウィルスのHPV-B19型による感染症で、頬がりんごの様に赤くなるためにりんご病と名づけられている病気です。感染経路は飛沫感染で、濃厚な接触で30%が感染します。2才から12才に多くみられ、小学校や保育園でよく小流行が見られます。潜伏期は17〜25日で、冬から夏にかけて多い傾向がありますが一年を通してみられます。
●症状は頬にかゆみを伴う発疹が突然に出現し、1〜2日遅れて上腕の外側、次いで大腿部の前面に網目状の発疹が出現し、4〜5日の経過で消失します。
●よくみられる合併症は関節炎です。非常に稀に血管性紫斑病、脳炎、劇症肝炎の報告がありますが、ほとんどは良性の経過をとりますので、特別な治療は必要ありません。しかし関節痛があるときは自宅安静をします。発疹は、入浴や直射日光により再発することがありますが、発疹の出現時にはすでに感染力はないので登園、通学は可能です。

手足口病
●病原体はコクサッキーA16型、エンテロ71型ウィルスなどの夏かぜのウィルスでですが、その他にコクサッキーB群やエコーウィルスによっても発症します。
● 症状は水疱が口と手と足の裏、時にはお尻や膝、肘に出現し、5〜6日で消失します。水疱は手足口のすべての場所にできるとは限りません。水疱が口の中にできた場合には,特に舌の周辺部では痛みが強く食欲不振、不機嫌、よだれがみられます。発熱は約20%にみられ39〜39℃の発熱が1〜2日続きます。
●合併症は稀ですが、エンテロ71型による髄膜炎が一年に数例報告されています。治療は対症療法で皮膚の発疹に対する治療法はありません。発熱がなく、口の中の発疹が改善し食欲があれば通園は可能です。

ヘルパンギーナ
●乳幼児に流行する夏かぜで、病原体はコクサッキーA群のウィルスです。
●症状は(1)38〜39℃の発熱で発症し、2〜3日熱は続きます。(2)発熱と同 時か1日遅れて口の中に1〜3mmの水疱性の丘疹、潰瘍性の粘膜疹が出現し5〜6日続きます。喉の痛みが強く食欲がなくなります。
●治療:発熱と口の中の痛みのために脱水症になることがありますので水分を十分にとりましょう。アイスクリーム、プリン、ゼリー、グラタン、豆腐など咬まずに飲み込めるようなものをあげて下さい。飲み物として は、オレンジジュースなどはしみますので牛乳、麦茶、味噌汁などが良いでしょう。


咽頭結膜熱(プール熱)
●病因はアデノウィルス3,7,14型による夏かぜでプールを介して拡がるのでプール熱とも呼ばれていますが、プールに入らなくても罹ります。潜伏期は5〜7日です。
●症状:(1)38〜40℃の発熱が突然出現し4〜5日続きます。熱は午前中に下がり午後にあがる傾向があります。(2)喉が赤くなり扁桃腺に白い分泌物が付着しのどの奥に濾胞というぶつぶつがみられます。(3)片側または両側性に目が赤くなります(結膜炎)、(4)首のリンパ節が腫れて触ると痛みがあり、ひどくなると耳の前のリンパ節まで腫れてきます(耳前リンパ節炎)。発熱は90%、咽頭炎と結膜炎は70%にみられます。
●治療としては痛みを止める解熱鎮痛剤を時々服用します。ウィルス感染症なので抗生物質は原則的に無効です。予防としては水泳後の洗眼、うがいです。
● 鑑別診断として、アデノウィルス8,19型による流行性角結膜炎(流角:リュウカク)があります。流角の潜伏期は約1週間です。流角は治るまで2〜3週間を要し、角膜の点状の混濁ができて目がかすむことがありますので眼科医による治療が必要です。

2009年7月20日

ウィルス性の胃腸炎

ロタウィルスとノロウィルスの2種類のウィルス性の胃腸炎が主に冬に流行しますが、最近では夏でも良く見られるようになりました。オムツをしている乳幼児では保育園や幼稚園で接触感染に注意する必要があります。また、吐物を室内に放置しておくことにより乾燥した空気の中で空気中に浮遊し感染する経路が問題となっています。従って、吐物や便の付着したオムツを室内に放置しておくことは家族内感染の危険があり注意が必要です。潜伏期は短く24〜48時間です。

●ロタウィルスによる胃腸炎(白色便下痢症い)
生後6ヶ月から2歳の乳幼児がかかる胃腸炎で、便が白色になることから白色便下痢症とも呼ばれますが40%が白色便を呈します。冬の胃腸炎の過半数を占め1月〜3月に流行します。
症状は突然の嘔吐、下痢が出現し多くは38〜40℃の発熱を伴います。嘔吐や下痢は1日に10回以上となることが多く、乳幼児では容易に脱水状態に陥ります。脱水状態とは水分が不足するために、おしっこが少なくなり唇や皮膚が乾燥し、症状が進むと、目がくぼみ、お腹が引っ込んでしまう状態で、脱水が進行すると入院し点滴が必要となります。

●ノロウィルスによる胃腸炎
 一般に11月〜12月に流行し、3才以上の小児で多く見られる胃腸炎ですが、乳幼児でも成人でもみられます。電子顕微鏡で見ると小さい丸い形をしているので小球形ウィルスそうとも呼ばれていて、カシリウィルス、アストロウィルス、ノーウォークウィルスなどのいくつかの種類があります。

●嘔吐が激しくて水分が口から取れない場合には?
ロタ、ノロともに治療は同じです。感染性胃腸炎では最初の1〜2日目に吐き気、嘔吐が強く見られます。嘔吐や吐き気があるときに無理に水分を取ろうとすると逆効果です。吐き気止めの座薬を使って胃を空にして吐き気がおさまるのを待つのが最良の方法です。
吐き気がおさまった時点から少量の水分をスプーンで少しずつゆっくりと根気よく与えてみてください。脱水時の水分補給としては経口補水塩(塩分と糖が理想的に含まれる飲み物)、湯ざまし、麦茶、番茶、などが良いでしょう。胃の中に水分が貯まらないようにゆっくりと与えると水分は次第に小腸に移行し、たいていは数時間で吐き気はなくなり水分が取れるようになります。吐き気止めの座薬としてはナウゼリン座薬があり1日2回、6〜8時間間隔で使用します。

●食事療法は?
下痢症ウィルスに対して直接効果のある有効な治療法はないので食事療法が一番大切です。乳児の場合は母乳であれば今まで通り、粉ミルクであれば80%に希釈してあげましょう。そのほかに、経口補水塩といわれるアクアライト(和光堂)、OS-1(オーエスワン:藤沢薬品)などが脱水の治療に効果があります。自家製の経口電解質輸液(水1リットルに塩2g、白糖40g、オレンジの絞り汁でカリウムを補充したもの)でもかまいませんが家族内感染の危険を避ける必要があります。1回20〜30mlの少量を頻回に与え一日量として100ml/kgはとるようにしてください。
年長児では沸騰して冷ました牛乳、煮込みうどん、卵粥、お豆腐、バナナ、ビスケット、焼いたパンなどをあげてください。コロッケ等の揚げ物やハンバーグなどの脂っこいものは避けましょう。

●下痢が一週間以上続くときには?
下痢が10日以上続くときは小腸が乳糖を分解できなくなる二次性乳糖不耐症という状態が起こります。そのような場合はミルクにガランターゼという消化酵素を加えたり、乳糖を含まない大豆乳(ボンラクト、ソーヤミルク)、カゼイン水解乳(MA-1ミルク)で下痢が良くなることがあります。

 
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